これまでの記事で、雑木の庭の見所に触れてきましたが、「移ろいで生じる多様な美しさ」がポイントになるような気がしています。
今現在、明確に発見している「移ろい」のポイントとしては、
1.花や実、新芽や紅葉等の季節毎の移ろい 2.晴れや雨、など天候による移ろい 3.朝夕や夜など1日の移ろい
それぞれの姿は種による違いは勿論、場所や成長具合によってどんどん姿を変えていきます。
それぞれのお庭毎に無限の表情があると思いますが、今回は上記の3つ目、我が家の夕景を一つの庭の楽しみとしてご紹介します。
土間を臨む夕景
西日も深く沈み、真夏よりぐっと柔かな光を一部に受けた、僅か1時間未満の夕景になります。
土間方向はほぼ逆光となり、水やり後はキラキラ光る光景を見ることができます。
アセビ
アセビは日当たりに強く、木立の辺縁部によく居るので、綺麗な光をもらい易いようです。
季節の中でも美しい時が長く、現在は穂のような実が夕日に良く映えます。
コゴミ
コゴミは新芽のサイクルが早く、瑞々しい葉が光を受け止めています。夕刻は地面は暗くなっているので、一層葉の明るさが際立って美しく見えます。
ミツバツツジ
ミツバツツジは葉が薄く、障子の様に日を柔らげて透かして魅せてくれます。
ヒサカキ
ヒサカキは常緑樹なだけあって、少しだけ葉が厚く、比較的色濃い緑を夕景でも保っています。
この濃い緑のお陰で、ヒメシャラやコナラといった落葉高木樹の薄い黄緑の葉が際立って綺麗に見えます。
ドウダンツツジ
葉先が少し変色してきたドウダンツツジは、いつでも上品に。
コバノズイナ
コバノズイナは成長速度が早い新芽部分が大きく、沢山の光を集めて明るく光ります。
ヒメシャラ
ヒメシャラはその葉の形から水滴を多く携え、多くの点光源を発光させます。
株元のコバノズイナ
コナラの株元のコバノズイナは、重心が低く、足元に光を添える役割を発揮します。
センリョウ
新芽の株立のセンリョウは、均整がとれた大きな葉が地面を瑞々しく、明るい緑で照らしています。
コナラ
コナラは若々しい緑のドングリが、雫と逆光を纏って光っています。
若いドングリの存在に気付いたのは今年が初めてでした。
茶色く地面に落ちているものだとばかり。
コナラ越しの空
日射が深くなったお陰で、コナラの葉の裏が自然光でライトアップされるように。
光の当たり加減で緑から黄色の階調が生まれ、コントラストは薄く、優しい空の景色が楽しめます。
以上になります。
また朝や昼間も「はっと」するような景色を見つけて記録していきたいと思います。
コメント