今回は、施工1年数か月経過したヒノキの板塀の経年変化の様子をご紹介したいと思います。
板塀を備えたくても、その耐久性から二の足を踏む方も多いかと思います。
かといって、ノーメンテナンスで30年もつという、イペやウリンなのどハードウッドは高価格。。
杉やヒノキなどといった針葉樹で耐久性を出す為には小まめな塗装が必要という情報も。。
我が家では、ガルバリウム鋼板の笠木や真鍮釘など耐久性が考慮された板塀になっていますが、さてどうなっているでしょうか??
板塀を長持ちさせる設計の工夫
一般的に板塀は縦張りの方が、横梁より耐久性は良いという噂があるようです。
(多分水切の関係?)
我が家が縦張りなのは、見た目からの選択ですが。
以下で板塀を長持ちさせる設計の工夫を見ていきます。
小口を笠木で守る
木材が腐るのは、木材が水分を吸収し、そこで腐朽菌が繁殖をするからだそうです。小口から入った水は木材の奥深くまで浸透しやすく、乾燥に時間がかかる為、腐朽菌の活動時間が長くなるとのこと。
なので、小口を雨水等から守る笠木は、板塀の耐久性向上に大きな役割を果たします。
我が家ではガルバリウム鋼板の板金で笠木を施工頂いています。
板間の隙間を空ける
小口と同じ原理ですが、木材の断面も水分を吸いやすく腐りやすくなります。なので、板塀を縦張りにしても横張りにしても木材間の隙間を5m以上取らないと、水が付着した後に乾き難くなり、腐りやすくなるそうです。
基礎
最近はDIYの板塀でも、基礎無しの方は少ないというほど、周知されている項目です。基礎なしで直接木と土を触れさせておくと、腐朽菌により直ぐに腐ってしまいます。
塗装
耐久性という観点において、一番不明なのがこの塗装です。
塗装には防水と防腐、着色の機能があるようですが、明らかに効果として現れるのは意外と着色のみという話も。
何故なら板塀に使用されるような木材は小口や断面という弱点はあるものの、基本的には元から備わっている樹脂が防水の役目を果たします。
防腐性能は、腐朽菌に対抗できる成分の種類や含有率で決まるそうです。
杉やヒノキ等(赤身以外)であれば、ウッドロングエコを使用して防腐処理をした方が良いという記述もあるようです。
一般に着色も兼ねた板塀の塗料としては、キシラデコールが良く使われているようです。
我が家では、材はヒノキですが、塗装はシルバーグレイに変化するスピードを遅らせるだけだという話になり、無塗装になっています。
板塀に使用される樹種の価格と耐久性
一般に価格は杉<ヒノキ<レッドシダー<イペ≒ウリン
耐久性は杉<ヒノキ<レッドシダー<イペ≒ウリン
木材単体での耐久性は定性的に上記のようですが、板塀としての寿命は、その他設計仕様によっても大きく変わってくる気がしています。
因みに知人が積水ハウスでイペ材で板塀の見積もりをとったら、高さ2m程度長さ10m程度で130万だったらしいです。(基礎がブロックでは無く、特殊な高いお洒落仕様だったらしいですが)
私はそれを聞いてたまげました。
1年経過した我が家の板塀の様子
こちらが施工数か月以内の板塀です。
ヒノキが日に焼けて、ピンクがかっています。
そしてこちらが施工から1年数か月経過した板塀。
写真でみると、全体的に少し黒くなっているように見えます。
こちらは同じく施工から1年数か月経過した板塀ですが、日に当たっている箇所。
肉眼で見たときのイメージはこちらに近く、あまり黒くなっているのが気にならない感じです。
こちらは植栽の影が投影された板塀。
多くの箇所は、このように影が投影されているので、最早、色の変化どうのこうのはあまり関係ない景色になります。
1年経過した我が家の板塀の感想
「あっという間にシルバーグレイに変化する」という、当初の予想に反して、1年数カ月経過してもあまり板塀の様相に変化は無い気がします。
特にここ最近はあまり変化していない気も。。
もしかすると梅雨や真夏期間における、水分と温度による変化が大きいかもしれないので、その時期に注意して記録いしたいと思いますが。。
この1年数か月の経過からすると、我が家の板塀は弘栄さんが良い材を入れてくれたこともあり、あわよくばあと30年以上、朽ち果てることなく立続けてくれるかもと期待しています。
因みに、板塀施工当初に感じた、以下のメリットは現在も享受し続けています。
・無節で見た目が非常に美しい ・防風効果により、植栽の葉からの水分の蒸散を抑制できる ・無塗装の為か、ヒノキの香りが敷地内で愉しめる
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