家づくりの情報収集をYouTubeではじめたのは、2019年の頃でした。
二十年前の実家の住み替え時の、第一種24時間全館換気→十年前の兄家新築時の全館空調と、ハウスメーカーの温熱設備も移り変わっていたのを体感していたので、最新の温熱トレンドを知りたかったからです。
その頃YouTubeでは、ラクジュの本橋さんや、クオホームの本田さん、松尾設計事務所さん等による情報発信が盛んで、オーガニックスタジオ新潟の相模社長もはじめようかという時期でした。
この情報収集によって、
・冬も夏も快適で結露しない家 ・イニシャルコストを抑えた家 ・ランニングコストを抑えた家
を目指しました。
しかし落ちを先に言うと、温熱をしっかりケアしながら、意匠を両立させている、建築家の奥野さんに設計を依頼できることになったので、私の勉強は無用の長物でした。。
ただ、奥野さんからの仕様のご提案に、「はい、そうなんですね、それでお願いします!」と即答できる瞬発力は得られる成果はありました。
我が家の所在地は6地域で、土間を除いた居住部のみのUA値は0.4程度。
建物だけの竣工から冬を過ごしてみましたが、
・晴れの日はリビング大開口からの日射のみで、18時〜22時程度までリビングのみ床暖房 ・天気が悪い日はリビングのみ床暖房を入れる
という暖房設備の運用で、十分暖かかく、寒くて起きれないこともありませんでした。床暖房のガス代は1万1000万円/月位でした。
それでは情報収集結果をご紹介します。
住宅外皮性能を基準にした快適な家づくりの流派とその特徴
HEAT20という高断熱住宅研究会のG1G2G3という外皮性能水準を用いた、相当にざっくりな分類分けをしたならば、大体この3流派くらいかと思います。
温熱流派 | ハウスメーカー多数派 | 高断熱住宅 | 内断熱で高断熱 |
外皮性能水準 (HEAT20) | G1~G2 | G2.5~G3 | G2~G2.5 |
空調計画 | 全館空調 各部屋間欠空調 | 夏用1台 冬用1台 24h時間運転 | それぞれ |
断熱方式 | 内断熱 | 外断熱 | 内断熱 |
ランニングコスト (主観) | △ | ◎ | 〇 |
G1~G3どの水準でも、空調計画により、温熱の快適性は得られそうですが、その断熱レベルと設備によりイニシャルとランニングコストに違いが出てきます。
どの水準を選択するべきか、自分の中で腹落ちできるように、各水準の特徴を調べてみました。
多くのハウスメーカーが採用しているG1水準の特徴は下記のようでした。
・ZEH基準を満たす、全館空調の場合の電気代は11万円/年程度より引用 ・4~6地域等の寒冷地でなければ樹脂やトリプルのサッシは使用しなくてもよく、イニシャルコストを抑制できる ・4~6地域等の寒冷地でなければ内断熱のみでよく、イニシャルコストを抑制できる ・大開口等、間取りに制限を受け難い連続空調 等級4~G3検討 210516.pdf
高断熱を意識しているG2~G2.5水準の特徴は下記のようでした。
・全館空調の場合の電気代は5万円/年程度より引用連続空調 等級4~G3検討 210516.pdf・6地域等の温暖地であれば樹脂やトリプルのサッシは使用しなくてもよく、イニシャルコストを抑制できる ・6地域等の温暖地であれば内断熱のみでよく、イニシャルコストを抑制できる ・6地域等の温暖地であれば大開口等、間取りに制限を受け難い
高断熱住宅と呼ばれるG3水準の特徴は下記のようでした。
・全館空調の場合の電気代は2万円/年程度より引用 ・家の中の温度を一定に保ちやすい ・外断熱必須でイニシャルコストが高い連続空調 等級4~G3検討 210516.pdf
住宅外皮性能とイニシャル・ランニングコストのバランスについて
によれば、G1からG2へのイニシャルコストの増加は70万円程度で、同資料のランニングコストの差から、G2でコストメリットが出てくるのが15年程度になります。
ソースは忘れましたがG1からG3で同様の試算をするとG3でコストメリットが出てくるのが30年よりもっとかかっていたような気がします。
以上のコストを踏まえ、G1G2G3の家の使いこなし方を考慮し、設計や施工の考え方を作っていくのでしょう。
快適性を低コストで実現するパッシブデザイン
オーガニックスタジオ新潟の相模社長がyoutubeにパッシブデザインvs平均的デザインの夏冬の燃費比較を投稿してくれています。ある気候条件の前提の元で、
・南に大開口窓をとることで日射取得を大きくして、冬の暖房負荷が16%低減 ※南は窓から6m遮蔽物なし
・窓に季節毎の太陽高度を考慮した庇や軒などで、夏の冷房負荷は23%低減
できるとのことです。
情報収集の結論と取ってよかったスタンスについて
以上かなりふわっとした情報収集でしたが、施主の立場としては、この程度の事前情報を持った上で、信頼できる生活に寄り添って下さる設計者にお任せし、自分は家具などのことでも考えておけば良いのかなと思います。
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