本記事の目的
「せっかく雑木の庭を作庭頂いたからには、夜も景色を楽しみたい」願いは単純ですが、実現しようとすると気を付けないといけない事が多く、素人には大変なようです。
我が家では、建築家の奥野さん、造園のJINENさん、施工の弘栄さんに全てお任せで苦労することはありませんでしたが。。
住み始めてから、ライトアップされた庭を楽しむ為の工夫にいくつか気付きましたので、外構を計画されている方のご参考になることを目的に、本記事をご紹介していきます。
また、庭以外でも、家づくり全体の照明計画については【内覧写真】写真撮影の観点から建築家や造園家による照明計画の素晴らしさを読み解く!に記事にしていますので併せてご覧くださいませ。
近隣に迷惑を掛けないための工夫
光を漏らさない、早目の消灯
ライトアップを楽しむ前に、まず気をつけないければならないことは、ご近所への配慮かと思います。
夜の落ち着きたい時間に、近隣の方が望まない光を出さない配慮が必要かと思います。
具体的には下記3つを実施しています。
気を付けること | 工夫 |
敷地外へ光が漏れないようにする | 塀で囲う 地面据置き照明にする |
遅い時間に点灯させない | 20時半迄のタイマーとする |
通りからは、我が家がライトアップしていることは殆ど分からないかと思います。
照明が視界に入っても眩しくならない工夫
照明にクッキングペーパーを巻く
最近は「消費電力」「寿命」「虫」の観点から外構も殆どLED照明だと思います。
このLED照明のデメリットとして、白熱電球に比べて眩しいことが挙げられます。
年々LED光を自然光に近づけるべく、カバー等で拡散性を向上させる努力がなされていますが、2022年の時点では、視界に入ってくるとまだまだ眩しいです。
特に暗がりのライトアップ環境下ではこの眩しさが致命傷となり、全く景色を楽しめなくなります。
この問題に対してはJINENさんが、光を柔らかくする絶妙なアイデアを提案下さいました。
それは、「LED電球にクッキングペーパーを巻く」ことです。
LEDはどんなに頑張っても100℃にも到達しない低温なので、180℃程度の耐熱性のクッキングペーパーなら、発火のリスク無く光を拡散させることができました。
部屋の中から暗がりの景色を楽しむ為の工夫
最後は夜ならではの暗がりの景色を楽しむ為の工夫です。
下の記事のような日中の景色とはまた違った趣を狙います。
最低限度の灯りを設置する
ライトアップとはいえ、「楽しみたいのは暗がりの景色」になります。
なので、「植栽全てが照明の光で埋もれないように」「照明同士の光が干渉しあって強めないように」最低限度の4灯の灯りになっています。
いくつかの照明カバーはあえて2面発光しかしないようになっています。
この屋外の配線は弘栄さんが耐候式を選択して下さりしっかり施工してくださいました。
屋内は調光式の照明にする
暗がりの景色を楽しむ為には、屋内の照度も落とす必要があります。
その為、我が家では「リビング」「和室」「土間」全て調光式になっています。
それぞれの部屋から景色を眺めた写真をご紹介します。
まずはリビング。
座卓のみを天井のスポットライトで独立で照らすことができ、レストランのような雰囲気たっぷりになりました。
竣工までこの独立式のスポットライトの存在に気が付いていませんでした。要望を出したわけでもなく何故このような仕様なのか・・
建築家の奥野さんは、最初からこの灯りのバランスを描いていたのかと気付いたときは、プロフェッショナルのかたの配慮に感激しました。
次は和室からです。
和室からは対角線上に庭が配置されるので、最も景色を広々と感じます。
板塀に反射した灯りも奥行きの演出するのに、いい仕事をしてくれています。
最後は土間からです。
こちらも照明が地面に留まってくれているおかげで、中秋の名月の月見を邪魔することなく、景色を楽しむことができました。
流石に土間からの月見までは誰も想定していなかったとは思いますが・・笑
普段はさすがに部屋内の照明を落とすことはしませんが、週末や来客時などに、「それぞれがそれぞれの居場所」で夜の時間も大切に過ごすのを楽しみにしています。
積雪時のライトアップ写真を【外観写真】旅館のような佇まいを演出するライトアップされた積雪の雑木の庭に記事にしましたので是非ご照覧下さいませ。
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