【暮らし】月見を愉しむ住宅の間取りとは?リビング、縁側、土間から中秋の名月を臨む

暮らし
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今回は中秋の名月を踏まえ、「住宅で月見を楽しむ為の間取り」を紹介していきたいと思います。

と言いつつ、普通は住宅の間取りを考える際、様々な暮らしの要望を元に優先順位が付けられていくと思います。

間取りの要望例

・日射取得を最大化する為にリビングを南面にして大開口を取りたい。
・共働きなので室内干し部屋が欲しい
・感染症対策に只今手洗いが欲しい
・時短の為にファミリークローゼットが欲しい
・子供をプールに入れるウッドデッキが欲しい
・身内を泊める客間が欲しい

多分、「月見をしたいので○○の間取りにして欲しい」なんて要望は現代ではまず出てこないのではないでしょうか??

月見台が有名な建築では「桂離宮」という、江戸時代の17世紀に創設された皇室関連施設があるそうです。濡れ縁から床が張り出し、屋根が無く、中秋の名月が正面にあがってくる方位設定とのことです。

現代建築では、工務店の三和木さんの岡崎の展示場にも月見台があり、こちらも東と南が開けています。

分かっている人には当たり前過ぎるかもしれませんが、中秋の名月は毎年同じ方向から上ってくるようです月の出の方角については、詳細を後述します。

月見のルーツを調べると、平安時代まで遡るようです。
現代よりもずっと自然に親しみ、「三日月、望月、有明月、十六夜月、おぼろ月」など、繊細な情緒と共に生きていた時代です。

もしかすると当時のお屋敷の間取りの優先順位は、「月見を楽しめること」が上位に来ていたかもしれません。。知りませんが・・

以上前フリが長くなりましたが、上代から続く月見を楽しむ間取りとして、南面と東面が開いた居場所をススキやお団子を月に供えて、ご紹介していきます。

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2022年の月の出

月の満ち欠けのサイクルが29.5日なこと、軌道が正円でないことから、中秋の名月と満月は必ずしも一致しないそうです。ここ十年では4回一致しています。

幸運いも今年は一致する年で、名古屋では東の空で18時22分が月の出でした。

月が出る方角と家の間取り

どうやら月は見える形によって方角が決まっているようです。

・満月 日没に東から上り、深夜に南を頂点とする
・上弦の月 日没に南に現れ、深夜に東に沈む
・下弦の月 深夜に東に上り、明け方に南を頂点とする

因みに、中秋の名月十五夜と並び美しいとされる、10月の十三夜も満月と大体同じ方角でみえます。

ということは、自宅にて月をより多く愉しみたい方は、東や南に開いた土地と間取りが良いことになります。

更に理想的には東や、南に向かって居場所が設けられていると良さそうです。

我が家の月を嗜む間取り

我が家は、月を見る前提で間取りが考えられた訳では無かったのですが、幸運にも月見に適した居場所が複数ありました。

月見の準備をリビングで行う

月見をしようと決心ついたのが夕方だったので、慌ててススキと月見団子を準備しました。

隣家も無く開いた南に大開口を持つリビングで、柏木工のサイドテーブルに、有松絞りのコースター、陶器祭りで買った作家さんの花瓶を置き、ススキを置いてみました。

中々に凛とした雰囲気が、月見に良さそうです。

完全に日が暮れれば、室内をテーブルだけのスポットライトに絞り、庭のライトアップを眺めながらの月見も見ることができそうでした。

夕方にリビングにススキを飾る
日が落ちてからのリビング、真南まで月がのぼってこれば中から月見ができそう

南面の縁側で供えてみる

南側は植栽のみで、景色が大きく開いているので、月を見るにはこの場所が最も見やすそうです。
外の空気を感じながらの月見は、最も昔の月見台に近いのかもしれません。

写真はありませんが、蚊に刺されることもなくビール片手に月見を愉しむことができました。

リビングに接した濡れ縁
縁側で月見

土間サロンに供えてみる

中秋の名月の上りに正対する、東向きに開いている居場所としては、土間サロンと外土間があります。

今回は、がっつり長時間月見をする予定なので、網戸を締められる、半屋外の土間サロンに供えてみました。

リビングより外との距離感が近く、鈴虫の歌声も聴こえ、ただただ静かな月見時間でした。

土間サロンからの夕景
庭のライトアップと共に月見をする
庭の植栽越しの中秋の名月

十三夜の月見

十五夜と十三夜、片方だけ見ることを片月見といって縁起が悪いそうです。

今年の十三夜は2022年10月8日、東の空に上る月を無事に見ることができました。

2022年10月8日の月見
2022年10月8日の月見

最後に

自分で準備をして、しっかりと月見をしたのはこれが初めてでしたが、流石1000年以上続く風習で、静かな良い時間でした。

家族だけでは勿体なく感じ、平安時代のようにとは言い過ぎですが、いつかもっと多くの人と共に月見を愉しんでみたくなりました。

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