【内覧写真】写真撮影の観点から建築家や造園家による照明計画の素晴らしさを読み解く!

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私は建築の設計士でもなく、インテリアコーディネーターでもなく、写真撮影が趣味なだけの施主です。

しかし自宅の内覧写真を撮る中で、照明計画の意図なり素晴らしさなりが段々浮かんできましたので、ライトアップ時の実例写真と共にご紹介していきたいと思います。

本記事がお勧めな人

・建築家や造園家が提案する照明の実例がみたい

・家や庭の雰囲気を良くする照明の考え方を知りたい

・ライトアップの写真を雰囲気良く綺麗に撮影したい

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照明計画の目的

はじめに大切なのが、照明によって何がしたいかを明確にすることだと思います。

1.料理をするのに十分な明るさが欲しい
2.読書や勉強や仕事に十分な明るさが欲しい
3.落ち着いた雰囲気を演出したい
4.暗がりを彩る景色を演出したい

今回は4に焦点を当てた記事になります。

暗がりを彩る景色を演出する照明とは?目指す景色は?

照明を使って、暗闇から暗がりをつくる考え方は写真撮影の考え方と同じ?

暗がりを彩る景色とは、ざっくり言ってしまえば、暗闇から見たいものが自然に強調され、視界が心地良くなる景色ではないでしょうか?

演出の出発点は、何も見えない暗闇です。
そこから背景に暗い灯りを与え、主役に際立つ灯りを与えていく。

そうすると、この暗がりを彩る景色をつくる為の技術は、写真撮影の絵作りにおける照明の考え方と似通ってくるように思えます。

写真撮影の絵づくりにおける照明の技術とは?

写真で良い雰囲気に撮れる照明は人に対して優しく心地よい理由

厳密に言えば、人の目で見た景色とカメラで写した景色は人の知覚補正や人の目のダイナミックレンジの広さから必ずしも同じにはなりません。
人の目で暗い所と明るい所が同時に見えていても、カメラ映すと黒潰れしていたり、白飛びしていたりということがしばしば起きます。

上記にような人の視覚とカメラの性能差により、カメラで良い雰囲気に写る景色を作る方が難しいと思います。
なので、良い雰囲気の写真が撮れる様に照明を調整できる≒人にとって明暗差がソフトで、目に優しく心地よい照明計画であるとの前提に立つこともできるかと思います。

写真で良い雰囲気に撮れる照明のポイントと実現手段

下記3点になるかと思います。

照明のポイント理由実現手段
暗闇を減らす暗闇は景色の空白で寂しくなる背景に拡散光で暗い光を与える
眩しい部分を無くす単純に不快柔らかい拡散光を使う
主役を際立たせる景色の意図が明確になるスポット光の使用

雰囲気を作る照明の種類

・背景の環境光を作る拡散光として、壁等に拡散させた間接照明でも良いし、ディフューザーが付いた照明でも良いかと思います。

・主役を際立たせるスポット光として、スポットライトが良いかと思います。

景色の中の明暗の階調を滑らかに繋ぐために、両方とも調光式であると良いと思います。

照明の実例

照明の実例は、【内から覗く外観写真1】の記事にもありましたが、新規に撮影したものも含めて改めてご紹介していきます。

外から内を見たときに雰囲気が良い(心地良くなる)照明

外観全景の照明計画

この外観の全景を撮影したときに感じたのは下記2点でした。
・各見所が1視野の中で明確になっている
・各見所が暗がりで緩やかに繋がっている
見所は土間サロン、外土間、リビング、そして植栽ですが、庭全てが煌々と照らされてしまっていたら、建築部分が目立たなくなってしまいます。

外観の全景

建築の一箇所一箇所がエリアとして認識出来るように、更にエリア間がなだらかな光の階調で繋がるように照明が設定出来るようになっています。

ここから更に雰囲気の解像度をあげる為、各見処内に強調ポイントが設定されています。

土間サロンの照明計画

壁に間接光で明暗のコントラストを柔らかく調整し、背景の絵がつくられています。

スポット光で土間の中心を照らし、ソーイングテーブルと椅子を強調することで、居場所としての意味付けが行われています。

外土間の照明計画

土間サロンと和室からの貰い灯で明暗の階調を柔らかく調整されています。

スポット光で外土間のベンチの居場所としての意味が強調されています。

涸沢からの景色も視線の途中に余分な灯りが無く雰囲気が良くなっています。

涸沢沿いに柔らかい地灯りが設置されて、外土間までの景色が植栽と共に視線誘導された景色がつくられています。

リビングの照明計画

こちらは少し照明計画からは外れますが、【雑木の庭】のリビング西の紹介記事で書いた様に下記のような植栽による視線誘導が大きな役割を果たしているように見えます。

このリビング部の庭では、高い層から地面に向かって順々にリビングと外を繋ぐ景色が創られています。

・一番高い高木層はイロハモミジとエゴノキがアーチを形成
・二番目の亜高木層はツツジとヒサカキが両脇を固める
・三番目の低木層にはアセビやシダが添えられ
・地面は石畳と玉竜が動線を形成する

つまり外から見たとき、立体的に視線が庭からリビングに向かって引き込まれるようになっています。
これによって、下の写真のように自然に建築と庭が一体化した視界が形成されているようです。

この視線誘導と、リビング内の暗めの調光によって、明暗のバランスの良い景色がつくられています。

外(庭の小広場)からリビングを見た様子

植栽の照明計画

夜のライトアップとは言っても、住宅の庭ですので、落ち着いた眩しく無い景色で、庭があるな、植栽が処々見えるな程度の感覚が理想でした。

当初、コイズミ照明のライトをそのまま設置してみたのですが、眩しく理想的な光の階調で庭が繋がりませんでした。

そこでjinengardenさんのご助言で、クッキングペーパーを何周かLEDに巻くことで、写真のような柔らかい点光源に改善することができました。

内から外を見たときの雰囲気が良い(心地良くなる)照明

内から外を心地よく眺める為には、内の照明を十分落とせることが前提となっています。
普段の生活レベルに合わせた照明強度を外に配置すると、やたら眩しい庭で不快な景色になってしまう為です。

リビングから外を眺める景色

スポットライトで座卓を主役にすれば、レストランのような特別感を演出した景色をつくれます。
外は地灯りの点光源がメインですが、板塀で光が拡散することで庭全体を柔らかな暗がりに照らしています。

室内は部屋全体を明るくする複数のスポットライトを調光して明るさを調整することもできます。

リビングからの景色

和室から外を眺める景色

和室からは対角線上に庭が配置されるので、最も景色を広々と感じます。
板塀に反射した灯りも奥行きの演出をするのに、いい仕事をしてくれています。

和室からの景色

土間から外を眺める景色

やはり照明が地面に留まってくれているおかげで、中秋の名月の月見を邪魔することなく、景色を楽しむことができました。

土間からの景色

最後におまけ

暗がりを彩る景色の演出について書いてきましたが、心地よい景色に為の照明以外の大前提が二つあることに再び気が付きました。

それは

1.ベースの建築が好みである事
2.植栽によってどこから見ても美しいような視線誘導がなされた立体構成がなされている事

です。

これら二つの大前提に加えて、今後インテリアを追加したり、庭を育てたりで、新しい景色をつくっていきたいなとも思っています。

また季節が進んだ紅葉シーズンでは、趣が変わった景色が見られると思いますので、ご紹介していきたいと思います。

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