【家づくり】床材の選び方!!無垢かシート?樹種?より大事にすべき仕様選定のディテールとは?

仕様選定
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床材の重要性がよく話題になるようになってきた

近年、SNSの影響で床材の「住み心地」や「意匠」に占める割合の大きさが、家づくりをはじめている施主の間にも浸透してきているように見えます。

私自身は最近、家づくりの意匠や仕様についてお気に入りのまとめを記事にしてきました。

【暮らし】1年住んでやって良かった仕様8選!!建築家・造園家・匠の工務店_総集編1
【暮らし】1年住んでお気に入りの意匠15選+土間庭!!建築家・造園家・匠の工務店_総集編2

床材もお気に入りでしたが、敢えて今回の為に残しておきました。

大事な床材選定の軸が話題に上がっていない気がする

今回は、床材を考える前提は、「リビング」「廊下」「子供部屋等の居室」に限定します。
水回り等が入ると、要素が増えてややこしいので。。

本論の前に、床材の種類や樹種を簡単に整理しておきたいと思います。

床材の種類

無垢木から切り出した一枚板
挽板基材の上に数mm挽いた木を張ったもの
突板基材の上に1mm以下にスライスした木を張ったもの
シート基材の上に木目柄などをプリントしたシートを張ったもの

床材の樹種

針葉樹杉、ヒノキ、パイン、ポプラ等成長が早く低密度、低熱伝導率
広葉樹ナラ、オーク、ブナ、桜、チーク、ウォルナット、くり、カバ等成長が遅く高密度、高熱伝導率

床材選定の軸は?無垢やシート等の種類?樹種で何が重視されている?

よく見かける床材の啓蒙活動?では、床材選定の軸として、下記が挙げられているかと思います。

住み心地

・種類による足触りの違い
 ⇒ 木目シートフローリングより、本物素材が良い。特に無垢が良い
 ⇒ 無垢なら広葉樹より、針葉樹の方が柔らかくて良い。 
・樹種による冷気の感じ方
 ⇒ 木目シートフローリングや突板、挽板より無垢が良い
 ⇒ 無垢なら広葉樹より、針葉樹の方が熱伝導率が低くて温かい
・樹種による傷のつき易さの違い
 ⇒ 木目シートフローリングより、無垢の方が傷がついても修復し易い
 ⇒ 無垢なら、広葉樹の方が硬くて傷がつき難い

意匠

・シートのプリントや樹種による色合いや風合いの違い

よく見かける床材選定論の違和感

よく見かける話ですが、若干違和感やオーバーに感じることをあげてみます。

住み心地

・種類による足触りの違い
 ⇒ 木目シートフローリングより、本物素材が良い。特に無垢が良い
   シートフローリングは夏は湿気でベタベタする
   ⇒ 無きにしも非ずの話ですが、近年の全館空調の家だったり、
     エアコンをつけている家であれば、ベタベタは気にならないかと
     足触りの質感は確かにアパート時代の木目シートより、
     現家の無垢や挽板の方が良いです

 ⇒ 無垢なら広葉樹より、針葉樹の方が柔らかくて良い。
    現家の挽板の広葉樹(ナラ)と、無垢の針葉樹(ヒノキ)では、
     足触りはそれほど変わりません。
     むしろ幅広の広葉樹の方が、良いと感じるときも。
 
・樹種による冷気の感じ方
 ⇒ 木目シートフローリングや突板、挽板より無垢が良い
   ⇒ 確かにシートより天然木の方がよいかと思います。
     が、昨今の空調計画の家であった場合、そこまで気にする必要があるのか?

 ⇒ 無垢なら広葉樹より、針葉樹の方が熱伝導率が低くて温かい
   ⇒ 確かに無暖房だと針葉樹の方が温かいです。
     が、空調、特に床暖房を使用しているときは当然関係無くなります。

・樹種による傷のつき易さの違い
 ⇒ 木目シートフローリングより、無垢の方が傷がついても修復し易い
 ⇒ 無垢なら、広葉樹の方が硬くて傷がつき難い

意匠

・シートのプリントや樹種による色合いや風合いの違い
   ⇒ もっと大きく意匠を左右する仕様の違いがある気がする 

意匠を決める仕様について

床材を選定するにあたって、「住み心地」に関する部分は文明の利器や住宅の高断熱化によってある程度カバーできるような気がします。

一方意匠については、SNSでいいなと思うお家だったり、建築家の方の話を聞いて、もっと色々な要素に気付いたことを書いてみたいと思います。

幅と形状について

建築家の奥野さんに言われるまで、全く気にしていませんでしたが、「幅と形状」は大きく意匠に影響するようです。

・形状「ワンピース」「ユニ」「乱尺」
「ワンピース」は1820mm等の定尺で継ぎ目がないタイプです。木目が整然としており、すっきりした意匠になります。

「ユニ」は1820mm等の定尺する為に、長さ方向に板を3~6枚程度継いだタイプです。ピース毎の風合いは揃うように選定されています。目地やつなぎ目が多くなるため、床の主張が「ワンピース」よりは強くなる意匠になります。

「乱尺」は400mm以上のランダムな長さのタイプです。ピース毎の風合いはバラバラです。自然な素朴さ、風合いがもっとも感じられる意匠になります。

・幅「75mm」「90mm」「120mm」「150mm」「189mm」
マルホンさんのHPにも書いてありますが、幅によって意匠は大分変ります。
幅広の方が稀少でコストは高いですが、細いからダメというわけでも無さそうです。

節の有無

この項目がちょっと我が家の家づくりでも選択をミスしたかな?という部分になります。

節の有無はコストに大きく関わる為、無垢かどうかや樹種に気を取られ、仕様選定の際に2階の床材を節有にしてしまいました。

当時は、ヒノキの無垢材にしたいという事だけに囚われていました。

後述しますが、節有と無では大分風合いが異なります。

我が家の挽板と無垢の床の違い

我が家は、1Fと2Fで仕様が異なります。

・1Fは「ナラの挽板」「1820mmワンピース」「幅150mm」「節無し」

我が家のリビング床材

必要以上に木々しくならず、和の意匠が成立するよう奥野さんが「1820mmワンピース」「幅150mm」「節無し」の仕様を選定下さいました。
この仕様のナラの無垢材は高級品過ぎて、一般家庭で採用されるようなものでは無いらしいです。


・2Fは「ヒノキの無垢」「1820mmワンピース」「幅90mm」「節有り」

我が家の2F予備室の床材

「節無し」はコストが過大になるかもと慎重になり、「節有り」を選択してしまいました。
別に悪くはないのですが、1Fと比較するとすっきり感が全く異なります。

無垢か無垢じゃないか、杉かヒノキかというよりも、「節の有無」にもっと拘れば良かったと思っています。

結局何を重視して床材を選定したらよいか?

あまりにコストが異なるもの同士の比較は難しいですが・・

SNS等でいいお家だな~と良く目にする、「建築家の方々」の家は勿論、「ベガハウス」さん、「扇建築工房」さん、「シーエッチ建築工房」さん等の家は、床材と家の調和が非常に美しくデザインされているように思います。

これから家づくりされる方は、「形状や幅」「節の有無」等ディテールが意匠に大きく影響することを踏まえ、設計士さんに家のデザインとしてどうしたらいいのか、よくご相談するのが良いかと思います。

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