今回は、コナラを植栽している人でなければ目にも留めないであろう、コナラの開花についてご紹介していきます。
芽吹き始めは白く、淡い黄緑を経て、濃い緑陰を生み、稲穂のような開花を迎える。春のコナラの変遷は早く刹那的な景色になります。
街路樹の遠景では中々気付かない、雑木の庭の植栽ならではの景色をご覧いただけたらと思います。
コナラの植生
コナラの開花の様子
コナラの開花は、葉の展開が一巡し、葉の色が緑色に熟す頃にやってくるようです。
葉の色が熟すという表現の心は、芽吹きはじめは色が白いということを意味します。
芽吹き始めは、十分に葉が開いた後の意気揚々とした雰囲気とは異なり、小さく小さく蕾のようにくるまっています。
高い位置にある新芽は、ややもすると梅の花のようにも見えてきます。
葉が開いても1週間程は黄緑色にも及ばない、淡い色づき。
そこから少しずつ少しずつ葉を大きくし、新緑の色づきとなってきます。
そこから更に1週間程かけて、更に葉を大きくし、コナラならではの濃いめの緑色の葉になってきました。
空を見上げれば既にもさもさです。この1週間前の淡い緑色の時期が、大きな植木が庭に植わっているような爽やかな趣で、もっともすっきりしていて綺麗かもしれません。
葉が十分緑色に育つ頃、冬には見られなかった新しい枝も伸び始めます。
この1週間で10cmは伸びようかという旺盛な成長期に、花を咲かせはじめました。
葉よりも小さく、色も時期で決して目立ちはしませんが、春の生命力は十二分に感じさせてくれる開花でした。
このあとコナラは11月頃まで成長を止めることなくどんどん大きくなっていきます。
雑木の庭の全景を変える程の影響力があるので、また折を見て景色をご紹介していきたいと思います。
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