今回は苔の中の雑草管理の決定版、除草剤の希釈液スプレーを用いた方法をご紹介していきます。
前回は、市販の薄めずに使用する除草剤(ラウンドアップマックスロードALⅢ)を使い、苔の中の雑草のみを刷毛塗するという方法で、除去を試みました。
刷毛塗は作業時間15分程度で
・除去率4~5割程度の成果
・若干の苔へのダメージという副作用
という、いささか中途半端な結果となりました。
今回はもっと合理的に、作業時間5分程度で
・除去率9割~10割程度
・苔へのダメージ無し
・根まで枯らして持続的な効果を得る
・毒物でないマイルドな除草剤を使用する
を目標に、除草剤の運用を試行錯誤した詳細をご紹介します。
除草剤の選択
プリグロックスL
まず苔の中の雑草を除去する第一の選択薬としては、プリグロックスLが挙げられます。
苔の農家さんや、販売店等も苔にダメージが少ない除草剤として、勧めています。
私がDIYでの苔庭づくりの為に蒔き苔の種を購入した、新潟の渡部造園さんの説明書にも、プリグロックスLを使うように書いてありました。
しかし、私は以下の特徴によりプリグロックスLは使用しないことにしています。
毒物でなく、根まで枯らしてくれる除草剤を探すことにしました。
ラウンドアップマックスロードALⅢ
根まで枯らしてくれる移行性除草剤としては、どこでも買えるラウンドアップが有名です。
ホームセンターで買えるレベルであり、勿論非毒物です。
しかしグリホサート系の除草剤は苔は枯らさないという噂がありましたが、前回のラウンドアップの刷毛塗で確認したように、チドメグサだけを狙ってラウンドアップを塗ったつもりでも、苔にも付着してしまいダメージを与えてしまっています。
ラウンドアップマックスロードALⅢにはグリホサートに加え、フルポキサムも入っていることが原因でしょうか?
但し、ラウンドアップマックスロードALⅢの裏面に書いてある、適用雑草をみると、対象物によって散布量を変える必要が書いてあります。
つまり、ラウンドアップマックスロードALⅢの散布量、若しくは散布濃度を変化させることで、ラウンドアップマックスロードALⅢに弱い雑草のみを選択的に除草できる可能性があると考えました。
苔の中の雑草のみを枯らす除草剤の運用と効果
ラウンドアップマックスロードALⅢに弱い雑草のみを選択的に除草する為に、通常は原液で使用する本剤を20倍に希釈しました。
この希釈液を木酢液の散布でも使用したハンドスプレーに投入し、苔の中のチドメグサに散布しました。
希釈液スプレー前の状態はこちらです。
それがスプレー後、1週間経過した写真がこちら。
全体的にチドメグサがいなくなっています。
もう少し拡大したスプレー前がこちら。
拡大したスプレー後の写真。
20倍に希釈したラウンドアップマックスロードALⅢの散布によって、刷毛塗では苔に付着することを恐れて塗れなかったチドメグサにも、除草剤を塗布することが可能となり、散布1週間で見た目除去率は9割を超える成果を得ました。
苔へダメージが及んでいないかは、この写真からは完全には判定はつきませんが、少なくとも許容範囲内のダメージだと思います。
プリグロックスLを使用せずに、苔の中の雑草のみを除去したい方は、本記事のラウンドアップ希釈液のスプレーを試してみては如何でしょうか。
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