9月の振り返りとJINENGARDENさんから頂いたコメント
「実生のコナラを育てる」前回の記事から約1.5か月経ちました。
前回9月時点での観察の気付きは以下の通りでした。
1.コナラの幼木はモミジの幼木より成長の個体差が大きい 2.幼木の時点ではコナラは、モミジよりも成長速度は遅い
それに対し、JINENGARDENさんからは、インスタで下記コメントを頂きました。
モミジは浅根で栄養豊富な窒素分の多いマルチング層にいち早く根を伸ばせたのでしょう。一方、コナラは地中深く根差す直根性の樹です。そして、比較的乾燥気味な土壌環境を好みます。湿り気が多いと逆に根を伸ばさないともいえます。地中深くに直根を伸ばすと同時に動きが出て来ますよ。
我が家の庭は植栽1年目であった為、水切れを恐れて多少多めに水やりをしていたので、コナラが根を伸ばし難かったのかもしれません。
今回の記事の目的
10月の実生のモミジの観測記事で書いた通り、成長が旺盛であったモミジでさえ、秋を迎えて成長が落ち着いてきたので、コナラはどうなっているかな?というのが今回の記事の目的です。
コナラの定点観測
アプローチ部
こちらはアプローチ部に7月に発芽した株です。
7月→9月で成長は見られていませんでした。
それが、9月→10月でも成長はやはりなく、黄葉するという変化のみでした。
リビング部2
こちらはリビング部2、ブルベリーの足元の株。
こちらは7月→9月で3倍程度に成長した株です。
それが10月時点では、そんなに成長していませんでした。
やはりコナラもモミジと同じく、休眠期への準備が進んでいる気がします。
リビング部3
リビング部3のエリアです。
こちらは7月→9月で成長は見られなかった株です。
やはり10月が終わっても成長していません。
落葉後、来年新芽を出してくれるのか不安になってきました。
こちらは7月→9月で倍程度の成長をみせた株です。
葉の大きさもかなり大きくなっており、根の順調な成長が予想できます。
今のところこの株のみ、背が7cm程度大きくなっているのを確認できました。
やはり葉が大きく、根が育っている株は比較的成長が早いようです。
南部
一番沢山発芽していた南部のエリアです。
こちらも7月→9月で全く成長しなかった株です。
バイカウツギの根本なので、豊富な水で根が成長し難いのかもしれません。
10月時点でもやはり成長していませんでした。
こちらは7月→9月で3倍程度に大きくなり、葉の段を重ねるごとに葉が大きくなっている株です。
10月では葉の段数も増え、更に大きな葉を発芽させていました。
ここはJINENさんによって藁のすき込みがなされている近々の場所なので、根が成長し易いせいでしょうか?
こちらは苔の近くで、4株が群生していたエリアです。
左の2株は7月→9月で成長がみられましたが、右の2株は枯れそうになっていました。
それが10月時点では、右の2株は消失してしまいました。。
普通のお宅の庭では実生株は、知らないうちに結構消えていってしまうらしいので、これが普通かもしれません。。
左の2株は成長こそしていませんが生き残っています。
コゴミ近くの株は、7月→9月で大きく成長していました。
葉も大分大きいです。
10月時点でも葉の段数が増え、更に大きな葉を発芽させています。
株立ちのような成長をみせているので、この株は今後大きく成長していくような気がします。
東部
センリョウの足元の株
この株も7月→9月で大きく成長していました。
それが、10月時点では幹が分化し、新しい幹の方が大きく成長しています。
ここは大きな陽樹の樹冠が欲しいエリアなので、順調に育って欲しいところです。
他の苗で植樹されたコナラの成長具合をみると、1年で1.3m程度成長しているので、樹冠として期待できるようになるまでは、あと3年くらいかかりそうですが。。
実生のコナラに関する格言
実生のコナラは「コナラの下にコナラは育たない」という格言があるそうです。
コナラの成木による樹冠によって、幼木陽当りが制限されてしまうことが要因らしいです。
一方、実生の常緑樹は高木の落葉樹の下にあっても、落葉樹落葉後の陽当りによって成長していくことが可能だとか。
なので、落葉樹中心の初期の里山も、人の手が入らないと、長い年月の風化によって段々常緑樹の森へと姿を変えていくそうです。
まとめ
先月までの観測結果を踏襲し、今月もコナラは成長の個体差が大きく、枯れて消失してしまった株も出てきました。
但し、コナラはかなり大きくなるので、どの株も残しておくと大変なことになるので、図らずも育つ少数株だけ育っていってくれればいい様な気がします。
1年目はもう大きな動きをみることは無さそうなので、また2年目以降成長に変化が起きるのか、観測してご紹介こしていきたいと思います。
コメント