「実生のモミジが勝手に生えてきた」前回の記事から約1か月経ちました。
前回最大40㎝程度だったモミジはどれくらい成長しているのでしょうか?
モミジの定点観測
下のいつもの我が家の庭のエリアマップに従って定点観測を記述していきます。
リビング部1
こちらはリビング部1の1か所目、7月時点の育ちが良い株で、40㎝程度になります。
これが8月には60㎝程度と20㎝くらい伸びています。シダも大きくなっているのでモミジの成長の具合が分かり難いですね。。
こちらの株は幹の木質化がまだはじまっていないので、水やり後は葉の重みで左方向に垂れ下がっています。
こちらはリビング部1の2か所目、葉は7段くらいです。
これが8月になると葉は11段程度まで成長しました。こちらは高さこそ先程の60㎝より低い40㎝程度ですが、幹が緑色に木質化し、水やり後でも直立な姿勢を保ち続けています。
成長時の背丈の高さと、幹の木質化の進行具合に相関は無さそうです。
また、幹の木質化が進行した方が、今後安定して成長できるのかどうかも、現時点では不明です。
樹形を整えて成長させたければ、背丈の成長よりも、幹の木質化が優先となるようにした方が良いような気がしますが。。
この辺りは盆栽の分野で調べれば出てきそうですが、この庭では、特別な手を加えずに、各々の株の環境の成り行きに任せて、このまま育てていこうと思います。
こちらはリビング部1の最後の箇所になります。このエリアでは最も背が低く、葉は4段、10㎝くらいです。
それが8月時点では、葉は8段、18㎝程度になっています。このリビング部1エリアの中だけでも、成長具合は各々の株毎に異なっているようです。
リビング部2
こちらもシダにひこばえの様に育っています。シダの木陰とクラウンの水分が心地よいのでしょうか?
こちらはシダのひこばえのように発芽している株です。葉は4段。
そしてこちらは8月時点、驚くことに葉の段数は4段で変わっていませんでした。
葉は多少大きくはなっています。
同じ1か月でも、リビング部1とは成長の様子が全く異なっていることが分かりました。
この辺りは、日当たりがそんなに良くないことが影響しているのでしょうか?
思えばシダもそれほど大きくなっていません。
リビング部3
こちらはソロの根本の2株に注目しています。
こちらは7月時点、葉は4段ですが、高さは6㎝程度の小株です。
それが8月時点では葉は6段まで成長していました。リビング部1に比べるとささやかな成長です。
また、これまでのモミジは赤色で発芽しても緑色に変わっていくことが多かったのですが、この株は上部は赤色のままです。
何か理由があるかもしれません。いづれ興味がでたら調べて記事にしたいと思います。
こちらはより根元に近い株。高さは10㎝程度になります。
それが8月時点では20㎝程度まで成長しています。
株立ちのソロの根本なので、水やり時に、根元に水が集まり易かったせいでしょうか?
リビング部3の上の株とは水平面で30㎝程度しか距離が離れていませんが、成長の様子は大きく異なることが分かりました。
東部
こちらはコゴミの根本にひっそりとだけいます。
このあたりは陽樹が少なく、樹冠の密度もまだ低いので、コゴミが葉焼けしてしまうくらいの日当たりの強さです。
こちらは7月時点。葉は2段程度です。
それが8月時点では歯は5段程度まで成長していました。
成長はしていますが、その度合いはリビング部1程ではありません。
日当たりが良ければ良いほど成長するわけでは無いようです。
一方コゴミを消した背丈の部分は葉は赤色になっていました。
葉の発芽時点の色は、日当たりと相関があるのでしょうか?
南部
南部では、7月時点ではシダの根本の幼木は育ちが良かったです。
山桜の根本の株は7月時点では葉は2段、高さは5㎝程度です。
それが8月時点では葉は5段、8㎝程度になっていました。
こちらはシダの根本で群生している株の7月時点の様子です。
それが8月時点では、最も大きい株はシダの背丈に迫るくらい、7月時点と比べると倍程度の背丈にまで成長していました。
適度に日が当たり、ひこばえのように水分と栄養を得やすい環境下が、植物を旺盛に成長させるのでしょうか?
こちらもシダの根本に群生した株の7月時点の様子になります。
それが8月時点では、群生株全体が3倍程度の大きさまで成長しています。
ここは、シダも垂直方向への成長が大きいことと、日の当たりから、どうやら日の当たりを求めて垂直方向へ大きく成長しているのでは?と推測しています。
また、これらはこれまでの株達と比較して、非常に細い幹となっています。
どうやら、垂直方向への成長速度と幹の太さは相関がありそうです。
こちらは南部で、木やシダから割と孤立したエリアにポツンと自生した株の7月時点の様子になります。
葉は2段です。
それが8月時点では、葉は6段とこちらも3倍程度の大きさに成長しています。
背丈が大きく成長する為の条件として、木やシダの根本である事は必須では無いようです。
アプローチ部
アプローチ部では苔の湿度が効いているのか、成長が早いエリアになっています。
こちらは日当たりが良い方の7月時点の様子になります。若干葉焼けしているのが心配でした。
それが8月時点では、葉の形はそれほど美しくないものの、高さは2.5倍程度まで成長しています。
ここまでくると、なんとなくですが、水さえ切らさなければこのまま大きくなりそうな気がします。
こちらはより日陰が多い部分の株の7月時点の様子になります。
こちらも日陰が多いわりには7月時点に比べて8月時点では2倍~2.5倍程度に大きくなっています。
1年目8月時点での成長のまとめ
地上部分の観察から考察したこと
実生のモミジの成長の法則は、種子毎の遺伝的性質は無視し、外的環境要因だけの違いから、下記5点を考察しました。
・幹の太さ(木質化程度)は、背丈の成長速度と負の相関がある。 ・葉の色は日当たりが一定以上だと赤色になり易い。 ・幹の地面に対する垂直方向の成長角度と成長速度は、日の当たりに依存し易い。 ⇒ 日が当たる方向に成長速度が早くなり、その結果日が当たる方向に地面に対する鉛直角は傾き易くなる ・水切れが発生し難いエリアで成長が早い可能性がある。 ・日当たりが極端に少ないエリアでは成長が遅い可能性がある。
地下部分が不明で分からないこと
地上部分と根の成長には、大きな相関が有り、地上部分の観察だけでは分からないことのヒントが沢山ありそうな気がします。
・水やりの程度と根の成長の相関、幹の成長の相関について ・日当たりの程度と根の成長の相関、幹の成長の相関について
幸い実生のモミジの株は沢山発生しているので、考察の為にどこかの時点で株を引っこ抜いても良いかもしれません。。
以上、引き続き定点観察を継続し、実生のモミジが環境に適合していく法則を解明していけたらと思います。
コメント