今回は先日【雑木の庭】アレロパシー活性が高い我が家のグランドカバー5種の雑草抑制効果の実績の中で取り上げた、グランドカバーの1種であるタマリュウについてご紹介していきたいと思います。
数々の建築家や造園家に愛されてきたタマリュウですが、グランドカバーとしての実用面でのメリットデメリットを木造建築と調和した作例と共にご紹介します。
タマリュウとは?
タマリュウの植生
タマリュウは木造建築との相性が抜群
タマリュウが敷き詰められた庭と建築の素晴らしさに気付いたのは、我が家を設計頂いた奥野さんの作例「立礼茶室のある家」の写真でした。
伝統的で文化的な建築と、整然かつ完全に調和した景色が素晴らしく美しく印象に残りました。
その後、様々な建築家の方の作例を【家づくり過程6】設計事務所探しと実例集めに掲載したように探していましたが、横内俊人さんの作例でもタマリュウが数多く採用されており、こんな景色が我が家にもあったら、、と憧れていました。
我が家の庭を創って頂いたJINENGARDENさんには、そんな事は一言も伝えていなかったのですが、完全にお任せでお願いした庭にはタマリュウの景色が備わっていました。
グランドカバーとしてのメリット
常緑多年草で、冬枯れしない
最もポピュラーなグランドカバーといえば、芝生ですが冬には枯れて茶色になってしまいます。
一方、常緑のタマリュウは1年中綺麗な緑の美しい景観を維持してくれます。
例として、我が家の夏と冬のタマリュウの写真を掲載します。
どちらもい同じ緑色をしています。
背丈が高くならず、手入れがいらない
リュウノヒゲのうち、背が低いものを掛け合わせていってできた種がタマリュウとのことです。
なので我が家では植栽1年以上になりますが、下の竣工直後のタマリュウと、上記の竣工1年後のタマリュウ、見比べても変化が無いのが分かるかと思います。
一度も刈込等はおこなっておりません。
アレロパシー活性が高く、雑草抑制効果が高い
【雑木の庭】アレロパシー活性が高い我が家のグランドカバー5種の雑草抑制効果の実績でご紹介した通り、タマリュウは数あるグランドカバーの中でも1,2位を争うほど、他の植物の発生を妨げる化学物質の活性(アレロパシー活性)が高い為、雑草の侵入を良く防ぎます。
カタバミなどが侵入してきますが、タマリュウの中のカタバミは簡単に抜くことができます。
グランドカバーとしてのデメリット
踏み込みに弱い
人に踏まれると、子供程度の重さでも直ぐに弱って枯れてしまいます。
人が歩く箇所には、石などを畳む必要があります。
子供の遊び場となる庭には広くは採用できないのが弱い所でしょうか。
乾燥に弱い
比較的水切れしやすい植栽だと思います。
夏でなくとも2、3日強めの日射にあたり、水やりをしていないと水切れをおこして、葉の端が黄色く枯れやすいです。
しかし、そのうち直ぐに新しい葉と入れ替わるのであまり気になりませんが。
繁殖力がそこまで強くない?
勿論、植物の中では繁殖力は強い方に位置づけされます。
しかし、グランドカバーとしては、1年で方々に広がっていくような匍匐性は見られないということです。
最も、この程ほどの繁殖力が、手入れの少なさにもつながっているので、メリットと表裏一体の性質になっています。
カタバミに浸食され易く、除草剤に弱い
メリットの項にて、アレロパシー活性が強く、雑草抑制効果が高いと書きました。
しかし、カタバミは浸食してくるようです。
【雑木の庭】植栽の中の雑草のみを枯らすラウンドアップの濃度の検証の総括で以前ご紹介したように、植栽の中で雑草のみを枯らす都合の良い除草剤の濃度の検証を実施しています。
その検証の中でカタバミは、ラウンドアップを最も低濃度に希釈して除草できる、雑草種ということが分かりました。
つまりカタバミは、様々な植物が混生したエリアにおいて、選択的に除草し易いと言うことができます。
下の写真は、規定の10倍に希釈したラウンドアップをなるべくタマリュウにかからないように、カタバミに散布した結果になります。
白っぽく、ピンクかかったカタバミがラウンドアップにより枯れた箇所になります。
しかし、やはりこのような混生エリアでは、カタバミだけにラウンドアップを散布するのは難しく、タマリュウにもかかってしまっていたようです。
不幸にもタマリュウはカタバミと同程度のラウンドアップ希釈濃度でも枯れてしまうことが分かりました。
タマリュウの中に浸食したカタバミは、手で引き抜くしか無さそうです。
最後に
これまでご紹介したように、庭の美観を手間を掛けずに、1年中維持したい方にとって、タマリュウはお勧めしたいグランドカバーの1種になります。
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