今回は作庭から3年目に入り、苔庭の美しさ、便利さを実感し、DIYでも苔庭を広げてきた経験から、苔庭のメリットと、デメリットを解決する対策法について、ご紹介していきたいと思います。
前提-庭の手入れについて
苔庭の便利さ、メリットについてお伝えする前に、お庭における手入れについてご紹介します。
(下記にお手入れ項目とその関連記事一覧表を示します)
この中で、1年中お手入れが必要で、圧倒的に大変だったのが、雑草管理でした。
苔庭のメリット
苔は非常に優秀なグランドカバーで雑草を抑制できる
先の庭のお手入れ一覧表の雑草管理で、恒久的な対策として地面を覆うマルチングを挙げています。
下の記事に書いた様に、雑草抑制効果が高いマルチング材(グランドカバー)としては、「タマリュウ「フッキソウ」「ヤブコウジ」等を挙げていますが、最も広い面積に適用し易かったのが苔でした。
【雑木の庭】アレロパシー活性が高い我が家のグランドカバー5種の雑草抑制効果の実績
苔がしっかりと定着した後では、比較的日当たりがよいエリアでも下の写真のように雑草を抑制でき、年間の草取り作業を体感9割以上削減することができます。
苔は1年中緑の景色を愉しめる
日本では、世界遺産になっている京都の西芳寺をはじめ、各地に美しい苔寺がいくつもあります。
(写真は滋賀県の教林坊)
それだけ、苔の景観を好む人が多いということですが、その苔の景色を1年中自宅で愉しむことができます。
こういった、しっとりと落ち着いた緑の景観が好きな方には、最適なグランドカバーと言えます。
苔庭のデメリット
苔の中の雑草除去が大変
先に記述したように、苔は雑草抑制の優秀なグランドカバーなのですが、「しっかりと密度高く庭に定着するまでに生えてくる各種雑草」と「定着した後のカタバミやチドメグサ」の除去には苦労させられます。
【雑木の庭】DIY苔庭初期の雑草管理、除草剤を使いたくない理由と各雑草種毎の大変な所とは?
【雑木の庭】蒔き苔から半年、DIY苔庭の最大の敵は鳥害とカタバミ、クローバーの浸食でした
苔の上の落ち葉掃除が面倒
例えばウッドチップ等のマルチング材であれば、落ち葉が上に堆積していても神経質に掃除する必要はそれほどないのかもしれません。
むしろ、落ち葉自体が雑草抑制のマルチング材になったり、腐食して土を肥沃にする効果もあるかと思います。
しかし、苔においては落ち葉の堆積は、「苔の光合成を妨げる」「苔の景観を崩す」と良い事が無く、なるべくしっかりと落ち葉拾いをする必要があります。
苔の中は歩くことができませんので、この落ち葉拾いは無理な姿勢を強いられることも多く、非常に大変な作業となります。
竹箒などを使用すれば、少し楽に掃除できます。
苔シートが安くはない
苔庭を最も美しく着実につくるには、事前に養生された苔のシートを使うのが便利です。
しかし、苔シートは2万円/m2程度と決して安くはなく、何十m2以上という広い面積に施工しようとすると、中々に高価になります。
苔庭のデメリット解決策
苔の中の雑草のみを枯らせる除草剤を使う
苔を枯らさない除草剤としては、プリグロックスL が有名です。
しかし、【雑木の庭】DIY苔庭初期の雑草管理、除草剤を使いたくない理由と各雑草種毎の大変な所とは?で書いた様に、プリグロックスは毒劇法で定めるところの毒物に指定されています。
使用の際は下記の様に、注意事項が満載です。
・誤って飲み込んだ場合には、応急処置を誤ると生命にかかわるので、一刻も早く吐き出させ、安静にして直ちに医師の手当を受けさせてください。
・本剤は眼に対して極めて強い刺激性があるので使用の際には必ず保護眼鏡を着用し、眼に入らないよう注意してください。
・本剤は皮膚に対して刺激性があるので皮膚に付着しないよう注意してください。
・散布液調製時及び使用の際は、保護眼鏡、防護マスク、不浸透性手袋、ゴム長靴、不浸透性防除衣などを着用してください。
・作業時に着用していた衣服等は他のものとは分けて洗濯してください。
・危害防止上、薬剤を分割して他に与えないでください。
また、使用の場合も本剤及び薬液を防除機、撹拌容器など防除専用器具以外の容器には移しかえないでください。シンジェンタ社HPより引用
毒劇物の使用は中々にハードルが高いので、【雑木の庭】苔の中の雑草を除草剤で除去する方法-希釈液スプレーで書いた様に、市販のラウンドアップを希釈して、雑草のみを枯らす方法を考えました。
チドメグサやカタバミのように除草剤に弱い雑草であれば、ラウンドアップの規定濃度の20~10倍程度、その他の雑草であれば5倍程度に希釈して、ラウンドアップをスプレーやれば、苔を枯らすことなく雑草のみを除去することができます。
落ち葉掃除ではブロワバキュームを使用する
【雑木の庭】落ち葉掃除に最適なブロワバキュームとは?メリットデメリットもに書いた様に、ブロワバキュームを用いることで圧倒的に楽に落ち葉掃除をすることができます。
我が家ではRESV-1020VFという電動式のブロワバキュームを購入し、使用しています。
注意点としては、ブロワバキュームの出力は意外と強いので、苔庭に使用するときは、出力調整に気を付ける必要があります。
RESV-1020VFは、出力の可変が可能であり、最低の3.1m3/minという風力設定が丁度良かったです。
まき苔で安く苔庭を広げる
仕上がりの美しさ、手間とは背反がありますが、蒔き苔で苔庭をつくると、材料費は1/6~1/7程度に安くできる可能性があります。
我が家でDIYにて追加で苔エリアを広げた記事の一覧は、本記事の冒頭に掲載してあります。
まとめ
繰り返しになりますが、苔庭をつくると、「雑草管理が圧倒的に楽になり」「1年中美しい景観を眺めることが出来る」という圧倒的なメリットがあります。
デメリットに対しては、本記事に書いた様に、文明の利器や、除草剤の使い方の工夫、多少の初期労力である程度以上は対応きるかと思います。
特にお庭の雑草管理に悩まれている方は、苔庭の導入を進めては如何でしょうか?
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