【雑木の庭】蒔き苔をスナ苔とハイ苔の二種混合で実施するメリットとデメリット

DIYによる苔庭づくり
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ブログ紹介

本ブログでは、「設計事務所」「工務店」「造園家」三者による家づくりの経緯や暮らし方含めて情報提供していきます。
我が家は3者の方々の協業により、建築と庭の調和を評価するユニソンフォトコンテストで最優良賞を受賞することができました。

初めての方は【家づくり】ユニソンフォトコンテストで最優良賞を受賞した建築と庭が一体の土間庭の家を紹介!!の記事からご覧下さいませ。

この一年の間に、苔庭をDIYで、「苔シートを購入するより1/7程度のコストで作る試み」として、最も手軽で材料単価も安い「種苔を直接庭にまく」方法に挑戦してきました。

今回は、そんな苔庭づくりの種苔の中でも、「スナ苔とハイ苔の二種混合」を採用したメリットとデメリットをこの1年間の経過よりご紹介していきたいと思います。

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種苔の種類と特徴

私はネットでざっと検索し、最も安かった新潟の渡部造園さんが運営する、KOKEYA.COMで種苔を購入しています。

KOKEYA.COMで販売されている苔の種は以下の通りです。

杉苔の種

特徴:全日照かつ、湿度を十分に与える必要がある。夏や冬に乾燥すると赤くなってしまう。

スナ苔の種

特徴:杉苔より乾燥に強く陽当たりにも強い。毎日水やりをする必要は無い

ハイ苔

特徴:比較的乾燥に強いが、スナ苔より湿度が必要。半日陰を好むが直射日光にも耐える。

カモジ苔

特徴:乾燥に弱く、30℃以上の高温にも弱い。直射日光は避ける必要がある。色が綺麗。

スギ苔・カモジ苔の2種混合

特徴:スギ苔の成育を助け、全体として色が綺麗になる

スギ苔・ハイ苔の2種混合

特徴:乾燥に強いハイ苔が杉苔の成育を助ける

スギ苔・スナ苔の2種混合

特徴:環境のロバスト性に優れるスナ苔が杉苔の成育を助ける

ハイ苔・スナ苔の2種混合

特徴:日当たり、乾燥等の局所環境の違いに応じて2種が助け合って成育する

雑木の庭に適した種苔は?

雑木の庭は、全日照だと枯れてしまう樹種も多く、半日陰に調整されることが多いかと思います。

但し昨今の猛暑や、庭の中での局所的な環境の違い等を考慮すると、1種類の苔で庭を覆いつくすのはリスクが高いようです。

我が家では当初JINENGARDENさんに、スナ苔とハイ苔の2種混合苔シートを10m2施工して頂いています。

この最も乾燥に強いスナ苔が、局所的な日当たりの強い環境下では優勢になり、また局所的な日陰環境下ではハイ苔が優勢になり、苔庭の持続性を担保してくれているようです。

なので、特に苔種による見た目の違いに拘らなければ、スナ苔とハイ苔の2種混合がロバスト性が強い苔庭づくりの種苔として向いているのではと思います。

我が家における、スナ苔とハイ苔の2種混合の苔シートの施工1年半後の実例を掲載しておきます。

我が家の苔シートの施工1年半後の実例-ハイ苔がメインに
我が家の苔シートの施工1年半後の実例-スナ苔がメインに

蒔き苔をスナ苔とハイ苔の二種混合で実施するメリット

どの種苔を採用するかは、どのような苔庭を目指すかによっても変わってきますが、こんもりと美しい苔庭を目指すならば、ハイ苔を使用するのが良いかと思います。

但し比較的乾燥に強いハイ苔もとは言え、ハイ苔のみで蒔き苔を行うと、上手く育成するのは難しいかと思います。

特に、私の様に蒔き苔を育成苗床で養生すること無しに、最初から庭に蒔こうとすると、ハイ苔1種は多分上手くいきません。

下の写真は我が家におけるスナ苔とハイ苔の二種混合の蒔き苔から、3か月経過した実例になります。

2種混合で蒔いたにも関わらず、殆どスナ苔しか見ることができません。

私の蒔き苔DIYは、手間を極端に嫌って、蒔き苔前に苔用の用土もしかなければ、蒔き苔後に目土も被せていません。更に蒔き苔後に上手く苔が発芽して定着するために、キッチンペーパー等で直射日光を防ぐ処置もしていません。

なので、蒔き苔3か月後の時点では最も乾燥に強いスナ苔が支配的になっているのかと思います。

我が家の蒔き苔の施工3か月後の実例-スナ苔がメインに

一方、こちらは我が家での蒔き苔後11カ月後の実例になります。

杉苔が十分に育っている環境下で、漸くハイ苔も育ち始めているのが分かります。
段々と苔シート施工エリアの見た目と遜色がなくなってきました。

つまり、「蒔き苔をスナ苔とハイ苔の二種混合で実施するメリット」は、乾燥をケアするための正規の蒔き苔の面倒な手順を大幅に省略しても、苔シートと同じようなこんもりとした苔庭をつくることが可能になるということです。


我が家の蒔き苔の施工11か月後の実例-ハイ苔も育ちはじめた

蒔き苔をスナ苔とハイ苔の二種混合で実施するデメリット

蒔き苔をスナ苔とハイ苔の二種混合で実施するデメリットは、蒔き苔から1年近く経過しないと、苔シート並みの密度の苔庭に成長しないということです。

蒔き苔から半年程度はスナ苔しか殆ど成長しないので、スナ苔1種で蒔き苔をした際の半分程度の密度になってしまうのがその原因です。

ハイ苔が成長するまで待てない方は、スナ苔1種での施工が良いかと思います。

おまけ、杉苔の良い所

我が家での苔シートエリアでは、一部杉苔が混じっていたようで、「スナ苔、杉苔、ハイ苔」の3種混合様態が存在します。

我が家の苔シート施工1年半後の実例-意図しない杉苔が混じって3種混合の苔に成長

杉苔は苔の星の形が最も大きく、それ故に最も美しい苔と言えるかもしれません。
【暮らし】滋賀県湖東三山に匹敵する紅葉の名所、教林坊の「半外の更に外空間」でご紹介したように、杉苔の苔庭としては、滋賀の教林坊が非常に広大で美しく、杉苔を体感したい方にはお勧めの場所となっています。

教林坊の杉苔

杉苔にはスナ苔やハイ苔では出せない独特の質感がありますので、気に入った方は、「スナ苔、杉苔、ハイ苔」や「杉苔、ハイ苔」等の混合の苔庭づくりをされては如何でしょうか?

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