我が家の雑木の庭も植栽2年目になり、少しづつ夏に水切れし易い樹種や、その対策が分かってきました。
雑木の庭は、構成樹種が多い為、一様な水やりや目の掛け方ではなく、1種1種の植生を感じながら育てていくと、長い付き合いができるような気がしてきました。
それでは、各樹種について詳細をご紹介していきます。
クロモジ
クロモジの植生や開花の様子については以前【雑木の庭】クロモジの開花、花の密度が低いのは夏の食害のせい?ベニカで対策しますにてご紹介しています。
クロモジを育てていく上で、障害となる事項として、食害については上の記事で紹介し、ベニカファインスプレーが効きそうだという結論でした。
今回はもう一つの障害事項として、水切れのし易さをご紹介します。
クロモジの水切れ
3月下旬には青々と発芽していたクロモジ。
7月下旬の今、いくつかの葉が水切れによって枯れてしまいました。
植栽2年目に入り、1年目より水やりの頻度を抑えていましたが、少し足りなかったようです。
クロモジの水切れ対策
水切れの対策の基本は、水やりの頻度の見直し、それでもダメなら日照時間が少ない箇所への植え替えや、日射から守ってくれる陽樹の寄せ植え等かと思います。
しかし最もリーズナブルで、根本的な対策は、クロモジがより強く土に根付き、水切れに強い枝や葉を出してくれることかと思います。
クロモジは割と水切れに強い枝や葉を根付きと共に増やしていってくれる樹種のようです。
下の写真のように、中心から左の枝は、今年初めて発生したものですが、今まで発生していた葉より5倍以上大きくなっています。
クロモジはひこばえも良く発生させますが、やはり大きな葉を初めから備えています。
このような葉が大きく育ってきた株は、植栽直後の小さな葉を持っていた時より、根が十分に土に浸透し、成長が早く、水切れや病害虫にも強いそうです。
ムシカリ
葉の形が亀の甲羅のようで、全体的に独特な形を持つムシカリ。
このムシカリはその名の通り、食害に非常に遭いやすい樹種で、昨年は紅葉を見ることなく葉が全て無くなってしまいました。
また、葉焼けもし易く、そのことも紅葉の障害になっています。
ムシカリの葉焼け
こちらは植栽1年目のムシカリです。
当時は毎日水やりをしていたのにも関わらず葉焼けしてしまいました。
そして植栽2年目のムシカリ。
やはり葉焼けはしていますが、1年目よりは軽度の気がします。
ムシカリの葉焼け対策
ムシカリの葉焼けは、水やりの頻度が高かった1年目の方が重度だったことから、水やりだけで解決できるものでは無い気がしています。
やはり、ムシカリ自身に土によく根を張ってもらうことが重要な気がします。
またムシカリも、成長が早いひこばえをよく発生させるようで、何れかのタイミングでこのひこばえに世代交代させると強い株になっていくかもしれないと考えています。
エゴノキ
エゴノキの植生や開花については【雑木の庭】初夏の花の主役、満開に蜜蜂も喜ぶエゴノキの開花でご紹介しています。
どこからでも実生で発生してくる、強い樹種のイメージで陽当たりにも比較的耐えますが、葉焼けはし易いようです。
昨年は蛾による食害で紅葉をみることができませんでしたが、美しい紅葉を見る為には、葉焼けに対してもケアが必要なようです。
エゴノキの葉焼け
2023年7月下旬の植栽2年目のエゴノキの様子です。
水やりの頻度を抑えていたためか、葉焼けが発生しています。
エゴノキの葉焼けの対策
水やり頻度の増加で対策はできそうです。
しかし、やはりエゴノキも先のクロモジやムシカリと同じように、2年目に入り、大きな葉をつける枝やひこばえが発生するようになってきており、これらは水切れに逢っていません。
このような強い枝を活かしていくことが最もリーズナブルな葉焼け対策になりそうです。
因みにエゴノキのひこばえは発生2年で、樹高が3m程度に既に成長しており、3~4年目以降で主幹に世代交代できそうな成長の早さを示しています。
ヒメシャラ
ヒメシャラはの植生や開花の様子については【雑木の庭】樹形、樹皮、花、紅葉が美しい人気落葉樹、ヒメシャラの開花(最も美しい樹種?)でご紹介しています。
夏の日差しや西日に弱く、昨年は我が家では紅くなりきる前に落葉がはじまってしまいました。
ヒメシャラの葉焼け
今年もやはりこの猛暑のせいか、7月下旬時点でかなり葉焼けして落葉もしています。
ヒメシャラの葉焼けの対策
何十種にも及ぶ植栽の我が家の庭ですが、ヒメシャラはカルミアや玄海ツツジに並ぶ水切れに対して繊細な樹種のように感じています。
今のところ、植栽1年目より改善していく兆しが見えていませんが、毎日の水やりをたっぷりやって、生き残ってくれるか見守っている状況です。
近辺のコナラの樹冠が成長していくと、もう少し楽になるような気はしています。
次回は、低木や下草の水切れについてご紹介していきます。
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