前回までで低木の魅力を2記事に渡ってご紹介しました。
【雑木の庭】一年育てて実感!!10種の低木が好きになる是非植栽を勧めたい理由まとめ前半
【雑木の庭】一年育てて実感!!10種の低木が好きになる是非植栽を勧めたい理由まとめ後半
今回は更に目線が低い下草、その中でも1年育てて実感した、良い所が沢山あるベニシダのご紹介をしていきたいと思います。
ベニシダとは?
常緑性の下草で背丈は0.5m程度まで成長。
多年草とあるが、胞子で次々に新芽へと更新される。
枯れた株は意外といつまでも残ってしまうので、綺麗に保つには剪定する必要がある。
一般的なベニシダの魅力の紹介
冬の緑の供給源
アブラチャンや玄海ツツジ、ブルーベリーなどもすっかり落葉して寂しくなってしまう年末。
青々とした緑を提供してくれる下草は貴重な存在になります。
シャラの落葉の寂しさも補います。
ドウダンツツジもコバノズイナもクロモジも落葉してしまう年末。
下草が一番目立つ時期です。
虫がつかない
1年観察しましたが、ベニシダに虫がついて枯れるとか、食害は無さそうです。
じっくり付き合って初めて分かるベニシダの魅力の紹介
実生の植物を守る樹冠になる
下記実生のモミジシリーズの記事でも記載していますが、シダの根本、クラウン部分は実生の植物が芽生えやすいようです。
発芽したばかりの幼木は、日差しに弱く、直射があたるような場所ではすぐに枯れてしまうかと思います。
下の写真のように、ひこばえのように3月末から芽生えたモミジ達は、シダの樹冠に守られすくすくと2022年の長い夏を乗り越えて成長していっています。
【雑木の庭】実生のモミジを地植えで育てる-三か月で40cm伸びた!?
隕石が恐竜を絶滅させてから、地上に最初に繁栄して、他の植物の成長の培地になったのもうなづけます。
朝日の逆光を受ける姿が美しい
日陰でも成長するベニシダですが、光を求めるように葉の向きが育っていきます。
なので、朝や夕方に逆光を受けやすい角度を持ち易いです。
逆光を受けた葉は、透明感を持ち美しい姿を魅せてくれます。
新芽がミニチュアでかわいい
【雑木の庭】アプローチ土間部コナラ、ヒメシャラ等の高木や足元のミニチュア世界の魅力について
にも記載しましたが、
フカフカの苔の絨毯の中に発生する大小のシダの森はとても美しいです。
拡大して初めてわかる苔の精密な形状の美しさ、大きなシダの木漏れ日を浴びて育つ小さな小さなシダ、ミニチュアの世界は大きな世界よりもずっと精密でファンタスティックな世界観に溢れています。
世代交代が早く緑を絶やさない生命力
あまりにも寒い冬や、強い日差しが続く夏には、さすがのベニシダも弱ってくる株はいます。
しかし、シダの世代交代はとても早く、1年の間に何回も胞子をまいては新芽が育ってきます。
1枚目植栽直後の庭が、剪定しないと9か月後には二枚目にようにもっさもさのベニシダの群生に生まれ変わります。
なので弱った株はどんどん剪定していってしまって大丈夫です。
たとえ一時地上からいなくなったように見えても、一月二月で直ぐにクラウンから新芽が頭を出してきます。
以上のようにベニシダは観賞用としても価値が高く、他の植物の培地にもなってくれる非常に有用な下草であることがこの1年で分かりました。
特に和風の庭ではポイントポイントで植栽してみると魅力が活かせるのではないでしょうか?
ベニシダのマイナス管理の考え方
前途したようにベニシダは旺盛な繁殖力が魅力の植物になります。
しかし主に夏には庭としては過剰に繁殖し、ややもすると鬱蒼とした「見栄え」になってしまいます。
なので、【雑木の庭】ベニシダやコゴミといった下草のマイナス管理で見栄えの改善&虫を抑制するの記事に書いた様に、「見栄えをすっきりさせて」「虫の発生を抑制する」マイナス管理が必要になってきます。
ベニシダと一年付き合ってきた経験からすると、思い切ってどんどん葉を選定していっても、全く問題ありません。
下の写真程度には剪定して、すっきりさせておくと、見栄えにも、虫の発生に対しても良い傾向になるかと思います。
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