今回は【雑木の庭】万両・千両・十両など正月の縁起モノの、植生に基づく剪定ポイントの紹介でも紹介した、マンリョウの実生の発芽についてご紹介していきます。
実生のマンリョウが気になる理由 – 離れた所で発芽するのは?
植栽1年目は3月末からモミジやコナラの実生が数多く発生していた我が家。
2年目は1月からマンリョウやヤブコウジ、ヒサカキ、シャリンバイ、シラカシ、ソヨゴ等の我が家の植栽の種から発生したであろう実生が目立ち始めてきました。
特にマンリョウは何故か、マンリョウの実が落ちやすい足元では無く、離れた場所で発芽しています。
一方シラカシやソヨゴは株元に近い場所での発芽が多いです。
マンリョウの足元で種が発芽し難い理由
マンリョウの赤い果肉には、発芽を抑制する物質があるそうです。
このため、意図的に果肉を除去してあげないと、発芽しません。
自分の足元で発芽すると、混みあい過ぎて発育に都合が悪いからでしょうか?
マンリョウが発芽する仕組み
果肉が除去されるパターンは2通りでしょうか。
1.人が果肉をむく
2・胃石を持たない鳥に食べられて、果肉のみ消化されて排出される
庭に勝手に生えてくるのは2の「被食散布」という種子散布のタイプになります。
我が家ではヒヨドリやムクドリなどが飛来してくるのが原因かと思います。
確率的な推測になりますが、1年目にはマンリョウの実生が発生しなかったことから、2年目のマンリョウの実生は、どこか遠くの野山のマンリョウの種では無く、我が家の庭内のマンリョウの実を鳥が食べて発芽しているのだと思います。
つまり、マンリョウが植栽されている庭は、以後勝手にマンリョウが増えやすい環境にあると言えるかと思います。
マンリョウの繁殖力が強い理由
マンリョウはアメリカでは繁殖力が強すぎて、侵略的外来種に指定されているそうです。
葉の鋸歯切込に葉瘤という葉粒菌が共生した場所があるそうです。
この葉粒菌が空気中の窒素を固定し、養分を供給しています。
またこの葉粒菌は種子にも感染し、次世代に受け継ぐため、繁殖力が強いのだそうです。
人類が窒素の固定の為に世界のエネルギー消費のうち数%を費やしているのを思うと、植物の葉粒菌利用は凄まじい能力ですね。
その他の被食散布型の植栽
我が家では「ヒサカキ」「シャリンバイ」「クスノキ(勝手に生えてきた実生)」など。
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